建築:ニューヨーク

ニューヨークの建築を何よりも特徴付けるのが、超高層ビルである。超高層ビルの出現と広がりによって、ニューヨークはヨーロッパ的な低層建築の街から、建物のそそり立つビジネス街へと変貌した。2008年8月現在、ニューヨークには高層ビルが5538棟あり、200mを超える高層ビルで、完成済みのものは50棟ある。この数はアメリカ国内で1位であり、世界では香港に次いで2位である。

ニューヨークには、様々な様式の、建築的に優れた建物が数々ある。1913年に建てられたウールワースビルは、初期のゴシック・リヴァイヴァル建築による高層ビルであり、大ぶりに設計されたゴシック様式の装飾は、200m近く下の路上からも読み取ることができる。1916年のゾーニング条例により、街路に日光が届くよう、新しく建てられる建物にはセットバックが必要とされ、敷地面積に対する高さの比率が制限された[60]。1930年のクライスラービルは、アール・デコ調のデザインで、上部が上に向かって細くなっており、スチール製の尖塔が立っているが、ゾーニング条例の要件を反映したものである。61階目の角にある鷲の頭のレプリカや、尖塔の下にあるV字型の照明など、見事な装飾から、多くの歴史家や建築家から、ニューヨークの最も優れた建築であると評価されている。アメリカにおけるインターナショナル・スタイル建築の例として、大きな影響を与えたのが、1957年のシーグラムビルであり、前面には、建物の構造を表すブロンズ材のIビーム(I字梁)が外部から見えるようになっている。2000年のカンディ・ナスト・ビルディングは、アメリカの超高層ビルの中ではグリーン・デザインの重要な一例である。

ニューヨークの大規模住宅地は、エレガントな褐色砂岩のテラスハウス、タウンハウス、そして1870年から1930年にかけての急開発期に建てられた粗末な集合住宅と境界が分けられることが多い。1835年のニューヨーク大火後、木造建築の建設が制限されるようになってからは、石とれんがが主に建築材として選ばれるようになった。何世紀にもわたって町自身の石灰岩の地盤から建築材を得ていたパリとは異なり、ニューヨークはいつも広範囲の採石場から建築材を運び入れており、その石造建造物は多様な石理や色相を示している[64]。市の建造物の多くに見られる特徴は、屋根の上に木造の給水塔があることである。1800年代のニューヨークでは、6階より高い建物には給水塔を設置しないと、低い階で過度に高い水圧をかけなければならず、そうなると市の水道管に破裂の危険性があったのである。1920年代には、中心部から離れた地域で、田園都市が盛んになった。地下鉄の伸張でアクセスしやすくなった、クイーンズ区のジャクソン・ハイツもその一つである

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アメリカ合衆国ニューヨーク州
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